ベクレルの式による蓄光の時間減衰

通常の発光現象では、エネルギーの注入をとめたあとは時間 t に対して exp(-t/定数) という単一の指数関数で光強度が減少していくと考えられます。 いっぽう蓄光の光強度の減少は、エネルギーを保存している多くの不純物準位が 関与しているために、複雑でよくわかっていません。
本研究は、蓄光の減少はベクレルの式とよばれる (1+t/定数)^(-n) という 関数形状であらわされることを 示したものです。酸窒化物蛍光体では 10^(-5) 秒 から 10^2 秒という7桁に わたる広い時間領域でベクレルの式で あらわすことができました。 さらに、酸化物、窒化物、硫化物などさまざまな種類の蛍光体でも 同じ関数形であらわせました。 蓄光性能の向上のために、指数n の試料依存の結果などを利用できる期待があります。