銅とニッケルの合金における発光の超高速時間減衰
複数の金属からなる金属合金は、その組成によって電気や磁気、そして熱伝導などの性質が変化するために昔からよく利用されてきました。
いっぽうでそれらの性質は、きわめて多数の電子や格子振動などが組成変化とともに複雑に寄与するため、物理的には理解できていません。
本研究では、百円および五十円硬貨としても使われている銅とニッケルの合金について、10^(-12)秒という超高速の時間領域で
発光の時間減衰を測定したものです。ニッケルの組成が0から100%までのもので系統的に実験を行いました。減衰時間の組成依存性が
電子格子相互作用の強さによって決まるとして理解できることが、第一原理計算の結果と比較することにより明らかになりました。
金属材料の組成の制御やそのナノ構造の使用などにより、新奇な物性の発現や高性能の光材料につながる期待があります。
