シリコン基板上の各種チオシリケート蛍光体

 Ca2SiS4:Eu2+などの新しいチオシリケート蛍光体材料は、波長制御性や発光効率が高い という利点があるために注目されており、粉末体の作製報告がいくつかなされていました。 本研究では、 それらをシリコン基板上に作製することに成功しています。LSIを用いた光源などに 応用できる可能性があります。バリウムやカルシウム、ユーロピウムといった 材料を適切に選んでやることにより、緑色、黄色、および赤色に対応する発光スペクトルを 得ました。蛍光体の内部量子効率は、最高52%に達しています。 また、エルビウムを用いると、1.5マイクロメートルの発光が得られました。 直接エルビウムを励起しても発光は得られず、 チオシリケートの母体を間接的に励起せねばならないという特殊な状況であることが わかりました。母体から電流を注入して生じる発光を光通信に利用するには 有利な結果であると考えられます。