赤色蓄光蛍光体における光刺激発光

光る粉末材料の作り方をうまく調整することで、光エネルギーを その粉に蓄えておくことが可能になります。暗闇にしてもしばらく ぼおっとみえている蓄光シールは、蓄えたエネルギーをゆっくりと 緑色の光として放出しています。そのエネルギーを、 赤外光をあてることによって放出するものが光刺激発光です。
本研究は、光刺激発光と蓄光、そしてそれらを生じさせる エネルギー保持の起源について議論したものです。 ユーロピウムとマンガンを加えた硫化カルシウムにおいて、 550秒の蓄光と990秒の光刺激発光をえました。 粉に蓄えたエネルギーを、熱または赤外光で放出させたり、 加えるエネルギーと保持されるエネルギーの強度の関係を 詳細に調べたりしました。光刺激発光と蓄光、それぞれを もたらすエネルギー保持の起源が異なることを 明らかにすることができました。