シリコンナノワイヤからの赤色発光
電子デバイスを形成しているシリコンをナノメートルという極小の大きさにすることにより、
低消費電力の新しい光電子素子を作り出すことに期待が集まっています。無電解銀析出法という
シリコンの表面エッチング(腐食)を用いることにより、赤色発光するシリコンナノワイヤ
(棒状シリコン)を作り出すことに成功しました。直径は0.1マイクロメートル、長さは
100マイクロメートル程度で、シリコン基板上に垂直に立って密に形成されています。ワイヤの
側面から顕微鏡下で発光を観測することにより、ワイヤの先端において発光が強くなっている
ことがわかりました。シリコンと、その表面を覆っている酸化シリコンとの界面が発光原因と
なっていることを示唆しています。現在はまだ効率が0.1%程度と十分でなくこれを向上させること、
成長機構の詳細を明らかにすること、一様に大面積であるいは場所を制御して成長させること、
などをめざして研究をすすめています。